MBAは「年収の上がるキャリア」にどう貢献する？

年収を上げるキャリアの作り方に「こうすれば絶対成功する」というものはありません。

これはキャリア構築だけでなく、投資でもビジネスでも同じことです。

代わりにできるのは、まず「よくある失敗」を避けることです。

そして「成功確率が高い方法」をやってみることです。

ただ、時間や資金は限られていますから、できる範囲でいくつかをやるしかありません。

この「いくつか」の組み合わせや順番が肝になります。

一般的な株式・債権投資などで「投資ポートフォリオ」と呼ばれるものと似ています。

ただ、万人に同じ選択肢の中からどう組み合わせるかという投資と異なり、キャリアというのは千差万別です。

年収一千万という数字を考えてみましょう。

これは、ある人には深く考えなくても新卒で就職した会社で数年すればもらえるもの、

ある人には転職が必要なもの、

ある人には独立開業でもしないと困難なものだったりします。

キャリア自体は人それぞれですので、

「今いる場所でベストを尽くせ」、

「新しい職場を探せ」、

「資格を取れ、副業をしろ」、

色々なアドバイスがあり得ますし、ある人にはドンピシャなこともあるでしょう。
が、どれ一つ取っても万人に当てはまることはありません。

では「あなた」は具体的にどうすればいいのでしょう？

MBAを勧める理由は「キャリアは千差万別」というところにあります。

結局、あなたのキャリアを一番適切に構築できるのはあなたなのです。

あなたの経験値や強み・弱み、志向性を理解すること、

そして「合理的な方法論」と組み合わせること。

こうして「あなただけのキャリア」ができるのです。

そして、「合理的な方法論」こそ、まさしくMBAの得意とする内容です。

知識を理解するだけなら巷のMBA入門のような本を読んでも得られます。

が、現実では具体的な応用に落とし込む必要があります。

例えば「年収の上がるキャリア構築」などです。

これはMBAプログラムでアウトプットを学ばなくては身に付きません。

このブログでは「転職して年収を上げる」ということを再三述べています。

しかし、MBAでの学びなしに、どうやって正しく判断するのでしょう。

いつ転職するのか。今すぐか、今の会社で実績を積んでからか。

どの会社へ転職するか。同業他社か、異業種か。

「よりよい意思決定」のためには、論理に裏付けされた適切な知識・教養が必要なのです。

MBAは必ずしもそれ自体で収入が増えるものではありません。
（外資を中心にそういう会社もあります）

しかし、収入を増やすための道筋を組み立てるには非常に有用なのです。

余談ですが、MBAは一般的に日系企業ではあまり評価されません。

「ふーん一生懸命お勉強したんだ」みたいな感じです（あくまで一般論です）。

しかし、外資では大いに評価されます。

日本は学部がすべて、あとはおまけ、のように考える風潮があります（特に文系）。

が、世界的にはMBA含む修士と学部卒（学士）の差は高卒と大卒の差と同程度あります。

更に言うと修士と博士の差も同じくらいあります（もっと言うと教授もあるんですが）。

博士号保持者がゴロゴロいる外資系大手だと、学士は使い走り的な扱いのこともあります。

そういう会社では、修士からようやく人並みになれるレベルだったりします。

そもそも「学歴」というのは「学習の経歴」なわけです。

従って本来、「どこの大学を出たか」ではなく「どの学位を持っているか」です。

有名大学の学士より無名大学の修士のほうが高学歴なのです。

そしてMBAは働きながら修士号を取れるプログラムが多いので重宝されるのです。

ただ、MBA取得で評価されたい、PRしたい、と思っている方には気の毒な話があります。

MBAはPR「しない」ほうがいいです。

CV（Curriculum Vitae＝英文履歴書）に書くだけにとどめましょう。

PRとしてはそれで十分で、聞かれもしないのに重ねてPRするのは悪手です。

「業務経験が乏しいからMBAで補おうとしているのか」と思われかねません。

MBAはあくまで「学歴」ですから、わざわざPRするのはプロ意識に欠けます。

もっとはっきり言うと、ダサいです。

面接官がPh.D.持っている可能性もありますから、たかが修士をPRするなんてダッサダサです。

CVにさりげなく書いているのが良いのです。

語学では「語学力に対する最高の賛辞は、語学力に一切言及されずそのまま会話を続けられること」と言われます。

MBAもそうです。

ビジネスのプロフェッショナルとして認められることに価値があるのです。

面接の場でMBAが話題になる時点で負けだと思ってください。