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MBAプログラムの分類と選び方

MBAプログラムの分類と選び方

MBAについて調べ始めた方は様々なプログラムを発見することになるかと思います。日本・海外、対面・オンライン、国際認証・大学ランキング、等々、幅広い選択肢があり、どう選んだらいいかよく分からなくなるのではないでしょうか。今回は様々なMBAプログラムを、日本にいる日本人が検討する観点から6つに大きく分類し、その特徴と向いている人のタイプについて書きます。

近年のMBAの位置づけ

まず大前提としてのお話をします。
「MBA=希少なビジネスのエリート」というイメージを多くの人が持っていると思います。
しかし、それは既に過去のもので、今やMBAホルダーは珍しくありません。
そもそもたった二年勉強したくらいでビジネスの成功が約束されるほど世の中甘くないです。
できるのはせいぜい、ビジネスの概要をおおよそ理解することくらいです。
また、MBAが必ずしもビジネス成功につながらないというのはもはや常識です。
ミンツバーグら大物経営学者もMBAプログラムを批判していたりします。
だからと言ってMBAに価値がないということではありません。
むしろMBAは、「ビジネスの概要をおおよそ理解している」ということが価値なのです。
経営の常識があれば避けうる失敗を避けられるのであれば、これは立派に役に立つわけです。
MBAを「ビジネスの運転免許証」だと言う人もいるくらいで、良くも悪くも経営の基本的なものと考えてもらうといいでしょう。
従って、MBAを取ったら将来の道が自動的に拓けるわけではありません。
あくまでまずご自身のキャリアありきで、それに沿って適切なMBAを選ぶのが重要です。

尚、各項で大学の例をご紹介していますが、あくまで例です。
「このカテゴリーが自分には合っていそう」と思ったら、そこに絞って色々と調べることをお勧めします。
本ブログではカテゴリーの網羅性を重視し、例はあくまで有名なものを少数ピックアップしました。
参考となりやすいよう単純化して特徴を書いていますが、私の記載は参考程度としてください。

海外有名大学留学

ハーバード、スタンフォード、ウォートン等、学費だけでも2~3千万くらいかかるような海外のトップ校への留学です。レベルの高い学習環境に直接身を置くことで得られる学びは最高レベルでしょう。
但し、やはりコストがかかりすぎることが難点です。英語ができることは大前提ですが、入学も修了も難易度は高く、また無事修了したからといって誰にでも明るい未来が拓けるわけではありません。
最もハードルが高いですが、ビジネスエリートという古典的なMBAのイメージに一番近いのはこの選択肢です。元々エリートや富裕層の方、大学から海外にいて就職も現地で希望している方、または企業派遣される方のための選択肢という要素が多分にあります。

海外留学には有名大学でない選択肢もあり、費用や難易度は少し落ちる代わりに日本での知名度もなくなります。どうしても海外現地でMBAを取得したい事情がある場合には検討する価値があるでしょう。本稿では日本にいる日本人が検討しやすいという観点から、有名大学と一緒くたにするのをご容赦ください。

海外有名大学ダイレクトリモート

海外トップ校でもオンラインで日本から取れるプログラムがあります。
「ダイレクト」としたのは、次項で日本にある法人を経由して海外大学MBAを取るプログラムがあるためです。
ウォーリック、インペリアル、ケリー等、かなりの有名校がオンラインのみで修了できるプログラムを提供しています。イリノイ等MOOC経由でできるプログラムもあったりします。現地に留学するよりは費用も安く済みますが、500万~一千万くらいは覚悟する必要があります。また、対面でない分モチベーションの維持などには注意が必要です。課題も簡単ではなく、もちろん海外大学と直接やり取りする必要があるため、高い語学力は必須です。
多少費用がかかってもグローバルで名の通った大学のMBAを取りたい、英語も全く問題ないが日本から離れたくない、という方にはうってつけでしょう。

日本法人経由海外大学

海外の中堅レベルの大学が日本法人を経由することで日本人に取得しやすいMBAプログラムを提供しています。アビタス経由のマサチューセッツ、BBT経由のボンド、エグゼジャパン経由のアングリアラスキンなどが有名です。
MBAといえばやはり海外ですから、海外のプログラムを取りたい、英語は多少はできる、しかし海外大学で直接履修するのは不安、という方に向いています。海外大学へ直接アプライする場合と比べると修了へのハードルは圧倒的に低いです。日本側での講義などもあるため、日本人同士のコネクションを作れるのも魅力です。費用は250万~300万程度です。
有名大学を大学ランキングおおむね30位以内とすると、ここで上げた中堅大学は300~500位くらいですので開きはありますが、それくらいで問題ないのであれば日本国内で働きながら取得できるこの選択肢は悪くないでしょう。難点は知名度が劣ること、それから海外大学なのに日本で受けるという学習は、良く言えばおいしいとこ取りですが、逆に言うと悪いとこ取りになるリスクもあるということです。
ちなみに参考までに、世界大学ランキング30位以内というと日本ではかろうじて東大が2024年のTHE大学ランキングで29位に入っています。300~500位くらいですと阪大~九大あたりです。

国内有名大学

一橋・早稲田・慶応といった国内の有名大学です。MBAを取った後も日本国内でキャリアを積む可能性が高いのであれば、国内の知名度が高く、幅広い同窓生ネットワークのあるこれらの大学は魅力的な選択肢でしょう。
国内大学は物理的にも心理的にもハードルが低くなりますから、学習に集中できるのも利点です。一方、MBAを高く評価するのは、やはり日本国内より海外です。海外の人間からすると、日本の有名大学といっても世界では大したことありませんから、それよりも中堅でも海外大学のほうが注目される傾向にあります。外資系企業勤めだったり、海外顧客とのやり取りが多かったりと、海外の方へのアピールを気にするのであれば、国内大学は見劣りすると考えたほうがいいでしょう。

その他の国内大学

有名大学でない国内大学は様々なブランディングをして学生を惹きつけています。
特徴のある例として二つ挙げます。

名古屋商科大学

MBA国際認証を3つ取得した唯一の国内大学ということで、MBAに特化したブランディングをしており、高いレベルのプログラムを求める方への訴求力は有名大学にも引けを取りません。どれほど浸透しているかは不明ですが、「早慶名商」と呼ぶ人もいるようです。
難点はMBAを知らない方への知名度が低いことと、修了がそれなりに難しいことでしょう。

グロービス

グロービスはMBA以外にもビジネス関連の書籍を多数出版していたり、eラーニング教材やアプリ、果ては検定試験まで作ったりと幅広くエコシステムを構築しています。グロービスのMBAプログラムを取らなくても、日本でMBAを取った人なら課題の学習中にここの教材にお世話になった人は多いのではないでしょうか。
大学やプログラム自体の評価はそれほど高くはありませんが、ネットワークが広がるのは強みでしょう。やや軽薄な印象があるのは否めないとはいえ、MBAを身近にとっつきやすいものにした功績は間違いなくあると思います。

その他

「その他」と雑に分類するのをご容赦ください。
地方の大学ですと地元の人にとっては対面で受講しやすいメリットがありますし、特色のあるカリキュラムを組んで専門志向の強い方にターゲティングしているプログラムもあります(※有名大学であっても、観光MBAを展開する京都や一橋の例もあります)。
伝統的なMBA以外に特定の需要がある方にはぴったりはまるプログラムがあるかもしれません。

尚、学費は国内大学は有名無名問わず、概ね国公立100万~150万、私立300万程度が相場です。教育訓練給付金が使えるプログラムが多く、費用を抑えやすいのは魅力の一つです。

短期格安MBA

「お手軽にMBAを取りたい」という需要は根強く存在します。
また世界では様々な大学が様々なプログラムを展開しており、上手く制度を使うと効率良く取得することは可能です。
ただし、以下のような問題があります。

1)大学側の問題。「お手軽学位」という評判が立つと、大学の価値が毀損される

2)人を選ぶ。学位である以上、本当に「お手軽」にはできない

3)MBAの持つ学位以外の価値が得られない

4)ディプロマミルと区別がつきにくい

1)大学側の問題

小売や外食では安売りは立派な戦略ですが、MBAはそれ自体がいわば高付加価値商品ですから、それを安売りでブランディングするのは自分で自分の価値を破壊しているようなものです。
従って、どの大学も、少なくとも表立っては「お手軽に学位が取れます!」とPRできません。

元々、大学として認証を受けている以上はそれなりに手間暇やコストをかけて組織体制を整える必要があります。そこで「お手軽に取れます!」とPRするのは、「大して教育しません、丁寧に評価しません」ということと同じです。
つまり、せっかく整えた組織体制には実は意味がありませんというようなもので、なかなかPRしにくい事情があります。

2)人を選ぶ

前項で述べたこととつながりますが、学位授与機関として認証されるためには一定の基準があります。
つまり極端な話、名前を書いてコピペで埋めただけの課題を提出すれば学位が取れる大学だと、早晩認証を剝奪されます。
そうならないためにはちゃんとした基準に基づいた課題評価が必要です。
その上で安くかつ短期で済ませるプログラムだと、基本が自学自習になります。
これは多くのオンラインプログラムにも言えることですが、安くすると極端にそうなります。
何故なら一番コストがかかるのは人ですから、丁寧な指導やモチベーション維持の仕組みが全て学生任せになります。
そのため人によっては手軽どころか、むしろその方式のほうが難しいと感じることになるでしょう。

3)学位以外の価値

MBAの価値は学位以外にもあります。
グループワークやディスカッションで得られる学びや、クラスメイトとのネットワーキングです。
人は社会的動物ですから、他者と共に学ぶ楽しみというのは他には代えがたいものです。
完全に自学自習ですと、これは全く得られないため、MBAプログラムの面白みがなくなると思う人も多いのではないでしょうか。

4)ディプロマミルと区別がつきにくい

ディプロマミルというのは、学位を乱発する非認証大学のことです。
国で大学の許認可を管理している日本や英国とは違い、アメリカなどは書類さえ提出すれば大学としての実体がなくても簡単に大学を設立できてしまいます。お金だけ取ってニセの学位証明書を印刷するだけの機関の出来上がりです。
これでは学位の意味がありませんから、ちゃんとした大学を認証するAACSBやACBSPといった国際認証が作られ、ちゃんと教育の質が認められたプログラムであることを保証しています。
しかし世の中には更にアクレディテーションミルといって、ニセの国際認証を発行する団体までいますから、一般人には見分けをつけるのが大変です。
ディプロマミルで取った学位を公の場で使用すると犯罪になりますから、海外の無名大学には十分注意しなくてはいけません。

逆に、信頼できる大学が提供するそういったプログラムをうまく見つけられれば問題はクリアです。
弊社にお問い合わせいただければ、ディプロマミルを見分けるポイントなどもご説明します。

学習は自分でできる、ネットワークも不要、人生の優先順位は他にあるけどMBAはなるべく早く欲しい、といった方には弊社で紹介するMBAプログラムがまさしくうってつけです。

ストイックに短期集中でプログラムを消化し、信頼ある英国のセントラル・ランカシャー大学MBAを取得しましょう!

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